|
公式SNSで告知されていた限定の「みそブラックつけ麺」。
本来は前日で終了していたメニューながら、店主の温かいご厚意により特別に一杯作っていただけたことに深く感謝しつつ頂く。
■ 麺 : 豊かな大地の息吹を宿す強靭な中太ストレート
冷水できっちりと締められた三河屋製麺製の麺は、全粒粉のホシが美しく散りばめられ、見た目からも素材の力強さが明確に伝わってくる。
表面はツルツルと滑らかで喉越しが良く、ひとたび噛み締めれば手応えのあるもっちりとした弾力が弾け、豊かな小麦の香りとふくよかな甘みが口いっぱいに広がる。
■ つけ汁 : 漆黒の香ばしさが躍動する芳醇な味噌の競演
熱々の器で供されるスープは、主軸となる鶏豚の重厚な動物系白湯をベースに、数種類の味噌やフルーツ、香味野菜を綿密にブレンドした甘めな仕立て。
そこにたっぷりと注がれた漆黒の自家製マー油が重なることで、微細な苦みを伴う香ばしい香りが食欲を劇的に刺激し、シャキシャキとした刻みタマネギの清涼感が絶妙なアクセントとして機能する。
後半に卓上のブラックペッパーを適量加えることで、芳醇な甘味の奥からシャープでスパイシーな刺激が立ち上がり、立体的な味の輪郭へと鮮やかに変化していく。
■ 具材 : 盤面を豊かに彩る個性豊かな三位一体
麺の上には、脂の甘味が乗った肉厚な豚バラ煮豚、肉本来の凝縮された旨味が堪能できる肩ロース、そしてサイコロ状にカットされた端肉という贅沢な3種のチャーシューが鎮座する。
シャキシャキとした茹でモヤシがみずみずしい食感のコントラストを生み出し、白髪ネギ状に美しくカットされた青ネギの爽やかな辛みが全体をスマートに引き締める。
■ スープ割り : 動物系の純度を高める熱香の余韻
麺をすべて手繰り終えた後、器を一度厨房へ引き上げて注がれるスープ割りは、熱々の鶏豚スープが贅沢に継ぎ足される。
それにより、提供初期の沸き立つような豊かな香りと重厚なコクが目の前で再び鮮烈に蘇り、ブレンド味噌の奥深い美味しさを最後の最後まで心地よく堪能させてくれる。
■ まとめ : 実直な足し算が結実した重厚なる名作
店主の見事な素材の組み合わせにより、重層的な旨味の要素が絶妙なバランスで調和した非常に完成度の高い限定つけ麺。
マー油のビターな香ばしさと味噌の甘味、そして全粒粉麺の存在感が一体となって押し寄せる、店主の優しさとこだわりが細部まで詰まった大満足の一杯だった。
今回は無理を言って作って頂いたため、麺への揚げネギトッピングが品切れのため合わせられなかったが、もし加わっていれば香ばしさが多重化し、旨さがより深まったであろうことが容易に想像できる。
|